工作機関改編のたびに…拉致被害者は選別され、姿を消した(産経新聞)

 拉致被害者が教官などをさせられていた北朝鮮の工作機関で、昭和53(1978)年、54年と61年に大規模な組織改編や人事異動があり、その都度、招待所に収容されていた拉致被害者が選別され、所在不明者が出ていたと、帰国した拉致被害者が政府に証言していることが分かった。この時期は、田口八重子さん=拉致当時(22)=や増元るみ子さん=同((24)=ら北朝鮮側が「死亡」としている被害者の一部の消息が分からなくなった時期と一致している。それは何を意味しているのか…。

 ■「私たちも危なかった」「ほかの工作部署にいるかもしれない」

 日本人を拉致し、北朝鮮国内で教官などの任務を与えて管理していたのは、「対外情報調査部」という工作機関だったことが、これまでの捜査で分かっている。後に「35号室」と名称変更したとされるこの機関は、朝鮮労働党に置かれた工作機関の1つ。韓国への浸透・破壊工作を担当していた党中央対南担当書記が所管していたが、脱北者によると、「1998(平成10)年以降、金正日総書記の直轄となった」。

 警察当局は、帰国した被害者らに対する拉致容疑の捜査過程で、事件は対外情報調査部が企画、主導したものと断定。蓮池薫さん(52)夫妻を拉致したとして国際手配中の通称チェ・スンチョル容疑者ら7容疑者は、いずれも同部の所属だったとされる。

 「昭和53、54年と61年に対外情報調査部で大規模な組織改編と人事があったようです。その都度、管理されていた日本人拉致被害者が選別され、消えていった」

 帰国した拉致被害者の1人は政府の調査にこう証言したという。証言はさらに詳細に「消えていった」日本人に言及している。

 「組織改編のうち、61年のものは特に大きかった。それまで、招待所で一緒に暮らしていた日本人の大半が、そのとき姿を消した」

 61年。この年、拉致被害者の生活に何があったのだろうか。

 当時、日本人拉致被害者は、蓮池さん夫妻、地村保志さん(54)夫妻、そして横田めぐみさん=同(13)=と田口さんのペアで、忠龍里内の2地区の別棟の家屋に住んでいた。そして、この招待所には、さらに日本人男性2人も、それぞれ別棟に住んでいたという目撃情報がある。

 61年当時、忠龍里には少なくとも8人の日本人が住んでいたことになる。

 政府に対する帰国被害者の証言はこう続く。

 「61年の大規模な組織改編の後、それまで忠龍里に住んでいた日本人の大半が姿を消した。田口さんにもその後会っていない。男性2人の行方も分からない」

 忠龍里に残った蓮池さん夫妻と地村さん夫妻、それに横田さんの5人はその後、大陽里の招待所に転居。

 結局、この時に忠龍里から去った被害者は後に「死亡」とされ、大陽里に移転できた被害者は、横田さんを除き、日本に帰った。

 両者を分けたものは何か。

 帰国被害者は「選別されたのだろう。適性のある部署に異動させられたり、不適応や信用できないと判断された人は切られていったのではないか。大陽里に転居できたのは、いずれも優等生だった。61年のときは、自分たちの処遇も危なかったと、後で指導員から聞かされた」と打ち明けたという。

 そして姿を消した人々の行方について「3号庁舎(工作機関)の他の部署にいるかもしれない」と指摘したという。

 ■工作機関幹部が日本人被害者に「『李恩恵』知ってるか」

 蓮池さん、地村さん両夫妻の前から姿を消した田口さんのその後の消息は翌年、帰国した被害者の耳に入った。

 「運転手から、『楽園商店で田口さんに会いましたよ。義挙者(韓国から北朝鮮に来た人)と結婚して楽しく暮らしているようでした』という話を聞きました。田口さんは61年7月からしばらく、龍城(リヨンソン)の招待所に住んでいたようです」

 帰国被害者の1人は、政府にこう話していた。そしてその時、田口さんは、人民武力省専用であることを示すナンバーがついたベンツに乗っていたという。

 それ以降の消息は分かっていない。だが、帰国被害者はその後、こんな奇妙な経験もした。

 大韓航空機爆破事件があった62年のある日、拉致被害者を指導・管理している対外情報調査部の副部長が日本人被害者らの元を訪ねた。副部長は「李恩恵(リウネ)という女性を知っているか」と質問。訪ねられた被害者は、帰国後にこのときのことを「自分のところで管理している工作員も分からないなんて、おかしな組織だと感じた」と振り返ったという。

 政府関係者は「北朝鮮の特殊機関は極めて狭い範囲で拉致被害者を管理していたことが分かっているが、それでも人事情報が分からなくなるというのは、いったん別の部署へ移管されると、人事記録そのものの所在が分からなくなってしまうのではないか」とみている。

 ■「存在を表沙汰にできないことは想像に難くない」

 「組織改編・人事」があった年を境に日本人被害者の所在が分からなくなったのは61年だけではない。

 増元るみ子さんは54年10月まで、蓮池祐木子さんが暮らしていた順安の招待所の別棟に住んでいたが同月下旬を最後に消息不明となった。増元さんと同時に拉致された市川修一さん=同(23)=についても、北朝鮮が「死亡」と主張しているのは54年9月だ。

 帰国した拉致被害者は、日本人被害者が組織改編で他部署や他の地域で機密性の高い特殊任務に就かされた可能性についても言及しているという。

 政府関係者は、北朝鮮が「死亡」と主張する日本人被害者の情報を出せない背景について、「北朝鮮が拉致被害者を別部署に異動させた場合、人事記録の引き継ぎが不十分である可能性が高い。さらに機密性の高い任務を与えた場合、新たに受け入れた部署は、その存在を表沙汰にできなくなってしまうことは想像に難くない」と分析。

 そのうえで、今後の方針について、「拉致被害者が途中で移管されたことで存在が明らかにできなくなってしまったのなら、拉致被害者が現在、北朝鮮のどこで何をさせられているか、十分把握して、北朝鮮側に厳密な結果を要求していかなければならない」と話している。

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<糖尿病>リスク遺伝子を発見 変異で発症の危険2.5倍に(毎日新聞)

 生活習慣の乱れなどが原因の「2型糖尿病」のリスク遺伝子を、東京大、東京女子医大などのチームが見つけた。遺伝子に変異があると、変異がない人の約2.5倍、発症の危険度が高かった。また、日本人は西洋人に比べ、遺伝的にこの変異を高い割合で持っていることも分かった。8日付の米国人類遺伝学会誌に掲載された。

 予備軍も含めて約2210万人(07年国民健康・栄養調査)いるといわれる糖尿病患者のうち、2型糖尿病患者は9割以上を占める。東京大付属病院の岡本好司医師(腎臓・内分泌内科)らは、同じ2型糖尿病でも、日本人は西洋人より細身の患者が多いことに着目し、非肥満の糖尿病家系を遺伝子解析して、遺伝子「KCNJ15」を絞り込んだ。

 KCNJ15は21番染色体にあり、この遺伝子の塩基配列が、人によって1カ所だけ違う塩基に入れ替わっていた。こうした変異は体質などの個人差として表れる。

 日本人約3200人を対象に変異の割合を調べたところ、非患者の割合は6.1%だったが、2型糖尿病患者は10.2%。中でも体格指数(BMI)が24以下の「非肥満型」の患者は14.1%に上った。一方、デンマーク人は非患者で1.6%に過ぎず、日本人が高い割合で変異を持っていることも分かった。

 細胞を使った実験では、KCNJ15は膵臓(すいぞう)でインスリンの分泌を抑制していた。変異がある患者は、そうでない患者より早期にインスリン分泌が低下する傾向があることから、KCNJ15の変異はインスリン分泌を強く抑制し、2型糖尿病のリスクをさらに高めると結論づけた。

 チームの岩崎直子・東京女子医大糖尿病センター准教授は「変異があることを知っていれば、生活習慣に気をつけることで予防などの対処ができる」。また、分析を担当した徳永勝士・東京大教授(人類遺伝学)は「この変異はアジア人共通だろう。非肥満型糖尿病の発症メカニズムを明らかにし、治療法につなげられるかもしれない」と話す。【元村有希子】

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<航空トラブル>どうして?ドアに作業員の笛引っかかる NY行き航空機が成田に引き返す(毎日新聞)

 5日夜、成田国際空港を出発したニューヨーク行きのコンチネンタル航空機が「客室のドアからベルト状の布のようなものが機外に出ている」として引き返してきた。着陸後の点検の結果、「布のようなもの」の正体は地上作業員が使う笛だったことがわかった。関係者は「どうしてそんなものがドアに?」と首をひねっている。

 国土交通省成田空港事務所などによると、同機は5日午後6時3分に出発。離陸後、乗務員が左側の前から2番目のドアの小窓から外をのぞいたところ、扉中央のハンドル付近から布のようなものがヒラヒラと空中を漂っていた。

 このため、午後7時半ごろ、成田の東方約1100キロの太平洋上で引き返しを決定。銚子沖で燃料を投棄したうえ、午後9時50分に着陸した。ドアハンドルには、地上作業員が首からぶら下げるストラップ付きの笛(プラスチック製)が引っかかっていた。トラクターやトラックなどを誘導する際に使うものとみられ、関係者は「誰かが作業中に引っかけたのか。それにしても出発時の点検で見つかるはずだが……」と不思議がる。

 乗客284人は成田市内のホテルに宿泊し、6日にニューヨークに向け再出発した。【山田泰正】

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